けしの見分け方

けしの見分け方


けしの種類
 
 けし属植物には多くの種類がありますが、更に育種の進歩に伴って花の色、
 果実の形、種子の色等が異なる栽培変種が広く各国に分布しています。
 わが国では「あへん法」の対象植物で栽培が禁止されている
 「ソムニフェルム種」及び「セティゲルム種
 「麻薬及び向精神薬取締法」の対象植物で栽培が禁止されている
 「ハカマオニゲシ」をはじめ、
 観賞用として「ひなげし」、「おにげし」等が栽培されています。

 

植えてわるいけし

 厚生大臣の許可をうけなければ栽培できないけしは、次の三種類です。
 このけしには麻薬の原料であるモルヒネ等が含有されており、
 特に「ソムニフェルム種」と「セティゲルム種」のさく果(けしぼうず)からは
 「あへん」が得られます。
 これらのけしは形態上の特徴を注意すれば、容易に他のけし属植物と
 区別することが出来ます。

 

 1.ソムニフェルム種
  
   秋まき二年生、または春まき一年生、の草本で、高さは100~150cmに達します。
  全株は特徴のある帯白緑色で、ろう質が付着しており、殆ど無毛ですが、
  花茎や葉の裏の主脈にわずかに毛を認めることもあります。
  茎は太く、葉は半ば茎を抱き、下部につく葉は狭長であるのが基本形で、
  上部につく葉は心臓形をしており、長さは10~20cm、巾は5~10cmで、
  葉のふちはぎざぎざになっており、その先端は尖っています。
  5.6月頃に4弁の10cm程度の白、赤、黄色等の花を開き、
  花期が終ると長円形または球形のさく果をつけます。
  さく果の未熟時は白粉をおびた淡緑色、成熟すると黄褐色になります。
  種子は非常に数が多く、小型で白色、灰色または褐色をしています。
  
   けしの変種には花びらが細裂しているものやボタン型、カーネーション型の
  八重咲き品があり、花色の変化は白、桃色、淡紫色、赤色およびこれらの
  組み合わせがあります。
  これらは花が美しいため、誤って庭先などに植えられていることがありますが、
  一般的な形態は共通であり、当然取締の対象になります。
  
  (註)春に種子をまいたときは、草丈が1mに達しないことがあります。
 
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 2.セティゲルム種(パパヴェル・セティゲルム・デイーシー)
  
   本種は秋まき二年生、または春まき一年生の草本で形態はソムニフェルム種に
  近似していますが、草丈は低く50~100cmで、茎は分枝性が旺盛です。
  葉は狭心臓形をしており葉のふちがぎざぎざで、光沢の少ない緑色をしています。
  
   花梗やがくには毛が多く、花はソムニフェルム種に比べ、やや小さく、
  淡紫色または、赤色の4花弁です。
  さく果は無毛で、下側が細かい球形をしています。
 
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 3.ハカマオニゲシ(パパヴェル・ブラックテアツム・リンドル)
  
   本種はペルシャ地方原産の多年生の草本です。
  草丈は60~100cmで、全体に白色の剛毛があります。
  葉は濃緑色で、葉身は羽状に深裂します。
  初夏に深紅色の花を茎頂に一つ付け、花の下に4~8個の苞葉があります。
   花は大きく径10cmで、花びらは4~6枚、深紅色で基部に黒紫色の斑点があります。
  さく果はカップ形で、花盤は平板状で、柱頭は14~18個です。
  オニゲシによく似ていますが、花の色と花のすぐ下の苞葉とで区別できます。
 
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植えてよいけし
 1.ひなげし
  
   ぐびじんそうとよばれているけしで、秋まき二年生の草本です。
  ソムニフェルム種に比べ小さく弱々しい感じで草丈は40~50cmで、
  全体に粗毛が密生し、濃い緑色をしています。
  葉は羽状で互生し、中裂または全裂し、裂片は披針形で、葉のふちが
  ぎざぎざになっています。
  花は初夏に紅、橙々、緋色等の4弁花を開きます。
  さく果は倒卵形で小さく1~2cmです。
  このけしは花壇用として各地で植栽され、花色が多く、変種には八重咲や
  花弁の基部が白色をしているもの等があります。
  
  
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 2.おにげし
  
   多年生のけし属植物の中で、観賞用として最も広く栽培されている種類です。
  草丈は50~100cmにも達し、
  全株白色の剛毛でおおわれ、葉はやや革質で濃厚な緑色を呈し、
  羽状で深裂し、各裂片は細長く、葉のふちは鋭いぎざぎざになり、
  切れ込みは特に深く、葉の長さは20~50cmです。
  初夏の頃オレンジ色から赤色の4~5弁、10cm程度の大きい花を咲かせます。
  花の下に1~3個の苞葉をつけることがあります。。
  花期が終わると2~3cmのやや球形のさく果をつけます。
  
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